アコヤ真珠養殖

★☆★ 真珠ってきれいですよね! ★☆★

でも真珠を作る真珠養殖は3Kの代表みたいな仕事です。
人間にとって快適な温度はあこや貝にも快適な水温です。
そのため春は日も長いので珠入れ作業(挿核手術)と
あこや貝の赤ちゃんの世話でとっても忙しいです。
5月、6月は朝6時30分~夜7時30分くらいまで
仕事をします
真珠養殖は大変な仕事ですが自然の中で働ける喜びと
あこや貝や真珠を育てる楽しみがあり
生きがいを感じられる仕事です。
主人も私もこの仕事が大好きです。

★ あこや貝の育成
真珠養殖はまずあこや貝を育てる事から始めます。
あこや貝は海中に浮遊するプランクトンをエサにして
育ちます。
貝を海に吊ったままにしておくと汚れ(牡蛎、いの貝、
フジツボ、カサネカンザシ、ほや、海藻類)などが付き
あこや貝はエサを取れず衰弱して死んでしまいます。
貝が大きくなるにつれて貝の大きさに合わせて籠を替え
貝を出して貝の掃除をします。
1年から2年かけて核入れ作業ができる母貝を育てます。
★ 母貝仕立て
珠入れの手術に耐えられるように、海水の流入の
少ない籠に入れて貝を半冬眠状態にします。
手術をする時の反応を鈍くして出血を少なくし、貝が
核を吐きださせないようにするためです。
でもあまり長く籠にいれておくと貝が弱って死んでしま
います。
海や貝の状態・水温等で貝を入れる個数と入れて置く
期間が違ってきます。
母貝仕立がうまくできると、とても挿核しやすく、丸い真珠
ができる確率が高くなります。
[添付]
抑制籠
1籠に60個~140個入れます。
蓋をすると海水はわずかしか流入しません。
★ 核入れ作業(挿核手術)
真珠のもとになる核(アメリカ産の淡水の貝)をあこや貝
の中に入れる作業です。
1個1個の貝に核と細胞をくっつけて入れていくので
多い人で1日に800個、普通は600個ぐらいしか
作業できません。
また、生き物相手ですのでやり直しができません。
珠入れの上手下手で貝の死ぬ率や脱核率(貝が核を
吐き出す)が違ってきます。
[添付]
この作業の良し悪しが真珠の品質を決めます。

外科手術なので神経を使います。

★ 養生
珠入れした貝は安静にして傷を回復させます。
養生籠と呼ばれる目の詰まった籠に並べ穏かな海に吊ります。
貝の活動を抑え手術の傷が癒えるまで静養させます。
水温により養生の期間は違ってきますが、だいたい
7日~20日です。

養生籠60個~80個 入れます。
[添付]

★ 沖出し
養生が終わると沖の漁場に出します。
沖は流れも速くプランクトンも多いため
真珠を巻かせるために沖出しをします。
[添付]
ロープにビン玉(昔はガラスの玉でしたので今でもそう呼ばれています。今はプラスチックの黒い玉)をつけそれに下げ縄をつけて貝を吊ります。

★ 貝の管理
沖の漁場はエサも多いかわり、汚れもたくさん付くので
汚れが付かないように管理しなければいけません。
真珠を巻かせる為に大事な仕事です。
● 水処理(真水につける)。
水に漬ける事のより海藻や他の付着物が付くのを
防ぎます。
●塩水処理(濃い塩水につける)
寄生虫の駆除と海藻などの付着物を取ります。
● クリーナ(ウォッシャ)
簡単に言えば自動洗浄機です。
高圧の海水が上下から勢いよく出ている所に貝が
入ったままの網を通す事により貝や網についた付着物を取り除きます。
1週間から10日に1度、クリーナーする事により付着物が付くのを防ぎます。
● 貝掃除
2.3ヶ月に1度、網から出して1個ずつ貝を掃除します。

この黒い玉の下のロープに貝を吊ります。
★ 浜揚げ(真珠の取り出し)
12月の後半から1月にかけて浜揚げがおこなわれます
1日に2万~3万個の貝から真珠を取り出します。
●貝を2つに割ります。
●貝殻と貝の身と貝柱に分けます。
●貝の身を肉砕き(ミキサー)にかけてペースト状にし
下に沈んだ真珠を取り出します。
水温が下がってくると真珠には照りがでてきます。
真珠は長い期間、養殖すれば厚巻きになると思われて
いますがそれは海の状態が良く、貝が健康な時です。
赤潮・高水温・低水温・海水の比重・エサ不足など海の
状態が悪くなったり、寄生虫・貝の病気などで貝が弱る
と真珠の巻き、照りとも悪くなります。
また、貝が死んでしまうと真珠は白いまくをかぶり、
商品価値がなくなります。